おひさまキュン

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けやき坂46解散の危機⁉"衣裳部屋立てこもり事件"とは?

3月27日に『キュン』でシングルデビューを果たした日向坂46(旧名けやき坂46)。

デビュー後、順調なスタートを切った彼女たちであったが、解散の危機にあったことがあったという。その代表的なエピソードとして挙げられるのが"衣裳部屋立てこもり事件"、今回はその事件について書きたいと思います。

 

けやき坂46は2016年5月8日に結成。当初は欅坂46のアンダーグループとして発足した。しかし、欅坂46の表題曲を歌う選抜メンバーとの入れ替えはなく、握手会が活動の中心になっていた。その位置づけの曖昧さから、メンバーは不安にかられていた。 
初単独イベント「ひらがなおもてなし会」以降、数ヵ月間にわたってほとんど活躍の場がなかったけやき坂46。自分たちの未来に光を見いだせなかったメンバーたちは、グループ解散の危機も感じていた。
そんな中、2017年4月6日に代々木第一体育館で「欅坂46 デビュー1周年記念ライブ」が行なわれた。前年のちょうど同じ日、『サイレントマジョリティー』でメジャーデビューを飾った欅坂46が、その後1年間で出したシングルの収録曲をすべて披露するという大規模なライブだった。カップリング曲を歌うけやき坂46も、曲数は少ないながら参加することになっていた。

その日、高瀬愛奈は本番前のリハーサルの時から不調を感じていた。なぜか目の前のことに集中できず、振り付けや立ち位置もなかなか頭に入ってこない。今振り返ると、この後何かが起こるという予感がすでにあったのかもしれない。
本番前、けやき坂46のメンバーは楽屋で待機する時間が多かった。待機中、メンバーたちは全員で楽屋を出て、トロッコに乗って歌う演出の段取りを自主的に確認しにいった。「ここってどうするんだっけ?」「そこはあっちに行って、こう!」となぜかみんながイライラして、空気が悪かった。

そんな中、東村芽依はふとモニターに目をやった。画面上にはステージでリハーサルを行なう欅坂46のメンバーたちが映っていた。しかし、そのリハーサルが終わると、突然、画面がVTR映像に切り替わった。
「緊急告知!」
モニターに浮かび上がった文字に目が釘付けになった。他の数人のメンバーもそれに気づき、「ねぇ、ちょっとあれ......」と指さして画面に見入った。続いて、衝撃的な言葉が流れた。
ひらがなけやき 増員決定!」、「今夏オーディション開催」
一瞬、その言葉の意味が理解できなかった。メンバーからは悲鳴のような声が上がったかと思うと、それを見たけやき坂のメンバーたちが次々と近くの衣装部屋に駆け込んでいった。何か恐ろしく、不吉なものから身を隠すように、メンバーたちは小さな部屋の中へ吸い込まれていったのであった…。

 

 このとき流れたVTRは、本来はライブ本番でサプライズ発表されるはずのものだった。本来、メンバーの目には触れさせてはならないものだったが、映像出しの確認のために流したものがスタッフの手違いでこのモニターにも送られてしまったのだ。そして、よりによって楽屋で待機していたはずのけやき坂46メンバーたちが、それを見てしまったのだ。
けやき坂46が増員する…。それはグループが今の12人のものではなくなってしまうということを意味していた。このライブの前に行われたZepp Tokyo公演をきっかけに何度も会議や反省会をしてやっと気持ちがひとつになったばかりの彼女たちにとって、それはあまりに残酷な宣告だった。
狭い衣装部屋の中でメンバーたちは混乱し、声を上げて泣いた。外から人が入ってこれないように、内側から鍵がかけられた。
そして佐々木美玲
「もうみんなで辞めよう!」と叫んだ。
こんな理不尽な思いをさせられるなら、みんなでグループを辞めてしまおうという意志の表れだった。これを聞いた他のメンバーも泣きじゃくりながらうなづいた。「今日のライブも出ない」と言うメンバーもいたほどだった。
そして、齊藤京子は悲しさを通り越して怒っていた。
「私はなんのためにやってきたんだ!」
中学生の頃からこの世界を目指して努力を重ねてきた彼女が、初めて投げやりな気持ちになっていた。12人で悩みながら支え合い頑張ってきたことが認められず、戦力外通告されたのだと思った。
代々木第一体育館の中の小さな一室で、少女たちの感情の嵐が吹き荒れた。